なつこです!
借金の整理は「債務整理」があり、その中には自己破産・個人再生・任意整理という方法があります。
3つの手続きには大きな違いがあり、どの方法が一番良いかは個々の状況によって異なります。
今回は「任意整理」と「個人再生」の特徴・選び方などをまとめました!

私自身は任意整理を経験しています。個人再生も勉強したので、みなさんに情報を共有いたします。
任意整理の特徴
- 将来利息をカットし、元金を3年〜5年で返済する方法
- 現状よりも返済金額が減る
- 手続きする業者が選べる
債務整理の中で一番ライトな方法が「任意整理」です。
借金の支払いは、クレジットカードの一括払いや、キャリア決済のような後払い以外は利息・手数料がかかっています。
例えばアコムで50万円を18%を借りると、毎月の返済額は15,000円。
この中には利息が含まれています。


50万円借りて毎月15,000円を払っていると、総返済額は698,327円。つまり利息は198,327円がかかっていることになります。
この利息部分をカットして、返済した分だけしっかり借金を減らしていくのが任意整理です。

もっとも、利息198,327円というのは追加で借入をせず返済した場合の利息であり、途中で借りると利息はさらに増えます。。
任意整理はその名の通り「任意」なので、手続きをして不利益になるようなものは、手をつけずに通常の返済を行なっていくことができます。
実際、私の旦那氏はアコム・エポスカード・ニコス・プロミスから借金があったのですが、このうちプロミスは残り5万円だったので、手続きをしませんでした。
また、車のローンもあったのですが、車も乗り続けたかったので、車ローンも手をつけませんでした。
一言で言ってしまえば、任意整理はフレキシブルな手続きって感じでしょうか。
住宅ローン、車ローン、奨学金、職場絡みの借入、、これらは手続きを除外するケースが多いです。

簡単にデメリットも解説します
基本的には、大手のカード会社(クレジットカード、消費者金融、銀行カードローン)などは和解に応じてもらえます。
ただし、ごく一部の街金業者などは任意整理に応じてくれないこともありますし、和解にシビアなカード会社もいるっちゃーいます…(3年以内でないと応じてくれないなど)。
個人再生の特徴
- 借金額が3,000万円までなら80%減額、3,000万円〜5,000万円までなら90%減額
- 住居地を管轄する裁判所に申立てをする手続き
- 住宅ローンの借入を除外することでマイホームが維持できる可能性がある(※住宅資金特別条項を利用)
- すべての借入を手続きに含める必要がある(※上記の住宅ローン以外の借金)
- 任意整理の和解に応じない業者も、個人再生には対応することがある
- 自己破産で免責不許可事由に当てはまる可能性があっても、個人再生はそういった制限がない
個人再生は借金額をグッと圧縮して、3年の返済をする手続きです。
借金1,000万円があるなら、200万円にまでに減額して、3年(月5.5万円前後)で返済するイメージです。
「住宅資金特別条項」を使えばマイホームを維持できる可能性があります。
ただし、それ以外の借金(車のローン、奨学金、職場からの借入)は全て手続きに含める必要があります。
任意整理では一部の街金などは和解条件が厳しくなりますが、個人再生であれば債権者の半数&借金額の半分以上のカード会社が賛成すれば、個人再生で減額ができます(※小規模個人再生の場合)。

「小規模個人再生」という言葉が出てきたので、個人再生の2つの種類「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」について軽く触れておこう!
その人がどのようにして収入を得ているのか?、債権者の同意はあるかないか?が大きな違いです。
給与所得者等再生は、債権者の同意がない代わりに、手取りの2年分以上の返済原資が必要となるため、小規模個人再生に比べて返済額が高くなる傾向があるそうです。。
ただ、個人再生で決まる返済額は、清算価値によっても変わるので、どちらがいいかは素人目で単純に判断できるものではなく、また裁判所によっても運用が違ったりするので、申立て先の裁判所の運用に詳しい弁護士や司法書士に相談すると良いと思います。

ちなみに個人再生は「清算価値保証原則」というものがあり、保有財産をお金にした場合に、その金額分は個人再生で圧縮できないことになっています。
※「清算価値」は申立て人が保有している財産のこと
任意整理と個人再生の共通点
- 信用情報に傷がつく(ブラックリストになる)
- 将来利息はカットになる
- 最低3年は返済が続く
- 住宅ローンありのマイホームは残せる
任意整理も個人再生も、手続きをすると信用情報にそのことが登録され、いわゆるブラックリスト状態になります。
そうすると、5年〜10年はクレジットカードが使えなかったり、ローンが組めなかったりします。

私は10年間ブラックでした。。
そういえば!!気づいたんだけど、10年ブラック確定だったアコム分、先月末で信用情報なくなってるんだったわ!異動が全部なくなって無事ホワイト!でももうここまで来るともはやブラックとかホワイトとかどうでも良くなってる🥺たぶんこれがお金に困ってない世界線。ようやくここまで来たな! pic.twitter.com/4FVsbQiiRF
— なつこ🌻任意整理マニア (@ntk55hensai) April 14, 2024
けど、10年ブラックだったとはいえ、その間にクレジットカードが作れていますし、絶対に難しい…というわけでもないかもしれません(もちろん、期待は禁物ですが💦)。
旦那に関していえば、住宅ローンも車のローンも通っています。
任意整理や個人再生で返済している間は審査も厳しいかもしれませんが、完済後は定期的に信用情報を開示してみて、「異動」がついていたらブラック。ついていなかったら、もうブラックではないので審査に挑戦してみましょう(^^)

審査するだけならタダ!多重申込にならない程度に、申し込んでみよう!
任意整理と個人再生を比較してみよう!
任意整理 | 個人再生 | |
借金の減額 | なし | あり |
分割回数 | 3年〜5年※金額が大きいと5年以上も。 ※業者によっては3年未満の場合も。 | 3年※認められれば5年 |
費用 | 1社あたり5万円前後※債権者数によって変動 | 50万円〜※内容により費用が上下 ※住宅資金特別条項の利用は一般的に費用が高くなる傾向 |
信用情報 | 5年〜10年ブラック | 5年〜10年ブラック |
官報掲載 | なし | あり※3回掲載 |
住宅ローン | 影響なし | 残すことができる |
奨学金 | 影響なし※奨学金を手続きするケースもあり | 影響あり※奨学金は除外不可 |
職場の借入 | 影響なし | 影響あり ※申立後、裁判所から債権者である職場に個人再生した旨の通知が届く |
家族や職場にバレるか | 確率は低め | 確率はやや高め※申立ての際は世帯の家計状況も提出(親や配偶者などの収入をまとめる必要がある) ※職場から借入がある場合は確実にバレる |
表にすると、任意整理の方がメリットが大きいかもしれません…。
ただし、個人再生はそれ以上に借金減額の効果が大きいです。
「借金600万円」であれば、任意整理では600万円を月10万円の返済(5年返済の場合)。
個人再生では120万円まで減額したとして、月3.5万円の返済(3年返済の場合)まで負担が減ります。

借金の減額を取るか?、生活への影響や秘匿性を重視するか?といった違いになりそうです。
任意整理を選ぶ方がいいケース
- 借金額が比較的少ない
- 家族や職場など周りに知られたくない
任意整理は将来利息こそカットできますが、元金は減りません。また、その元金も3〜5年の返済をする必要があります。
そうなると、例えば借金1000万円を任意整理すると、5年返済の計算で毎月17万円の返済資金が必要です。
収入が良い人であれば任意整理でも返済可能かもしれません(実際に事務所でも借金1000万円で任意整理頑張っている人がチラホラいる)。

借金額が少ない方が任意整理に適しているけど、個々の収支状況によっては任意整理でもいけるっていうイメージですね!
家族や職場に知られたくない人も、任意整理が良さそうです。
個人再生は裁判所の手続きだから、「官報」に住所氏名が掲載されてしまいます。
官報自体は、多くの人の目に触れることはないですが、知ろうと思えば知ることができてしまうため、「絶対に隠し通したい」ということであれば、任意整理を選択すると安心かもしれません。

ただ、先にも言ったように、自分の状況が任意整理では無理そうであれば、「秘匿性」よりも「借金の負担減」を選ぶ方が今後の生活も安心なのではないかなと思います。。
あと、職場によっては官報を見るような部署があるそうです。
公務員や金融機関の方からそういった声をよく聞きます。。
職場からお金を借りている場合も、個人再生によってバレてしまいます。
個人再生では、自分がいま借りている先の一覧表(「債権者一覧表」って言う)を提出する必要があり、申立のあとに裁判所がその借りている先に一斉に通知を出します。
「職場を巻き込みたくないから…」といってそれだけを手続きしないというのは個人再生ではできないため、そういう背景がある方も、個人再生ではなく任意整理を選ぶケースがあります。

「奨学金」についても、「保証人になっている親や親戚に迷惑をかけられない」という理由で、個人再生を避け、任意整理を選ぶ場合もよく見かけます。
個人再生を選ぶ方が良いケース
- 借金額が大きく、任意整理では返済が厳しそうである
- 任意整理に協力してくれない業者がいる
借金額が大きく減るので、個人再生は借金額が大きい人ほど、よりメリットを実感できそうです。
任意整理に応じてくれない業者がいても、個人再生で減額にできる可能性もあります。
「個人再生の特徴」でも触れたように、小規模個人再生では、手続きするカード会社の半数以上、そして借金額の半分以上の金額の同意が必要となりますが、同意が得られなそうな場合でも、給与所得者等再生がありますので、悲観することもありません。

「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」のどちらで進めていくかは、弁護士・司法書士の判断におまかせしよう。
任意整理も個人再生も厳しそうな場合は、自己破産。
「任意整理でも支払っていくのが厳しそう」
「借金額が多く、個人再生が良いなと思ったけど、やっぱり支払いをしていくのは厳しい…」
そんな場合は、「自己破産」が相当だと思います。
自己破産は、借金の支払い義務がなくなる手続き。
個人再生と同じ裁判所の手続きですが、メリット・デメリットも多くあるので、信頼できそうな弁護士や司法書士に相談してみましょう。
まとめ
最後に、任意整理と個人再生の違いや特徴を簡単にまとめます。
任意整理と個人再生の違いまとめ
①いずれも将来利息をカットできるが、任意整理は元金は残る。個人再生は元金が80〜90%減額となる。
②任意整理は手続きを除外する債権が選べる。個人再生は住宅ローン以外はすべて手続きする必要がある(保証人がついているものも手続きしなければならない)。
③任意整理はカード会社と依頼先の事務所だけが絡む手続きのため、他者にバレにくい。一方、個人再生は裁判所の手続きの過程で「官報」に氏名住所が載るため、バレる可能性はわずかにある。
④どちらも手続きをするとブラック(5年〜10年)になる。一定期間はクレジットカード作れない。ローンも組めない。
⑤任意整理で和解に応じない業者も、個人再生なら対応できる可能性がある。

個々の状況により、どの手続きがいいかは変わりますので、まずは債務整理の無料相談をいくつかやってみましょう!
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