なつこです!
今回は借金200万円の完済戦略です。
自力返済をするか?
おまとめローンで負担を下げるか?
債務整理をするか?
個々の状況によってもいろいろ変わると思います。具体的な返済シミュレーションと共に考えていきましょう!
借金200万円はどのような状態か?
「借金200万円」は、年収300万円の人なら年収の半分以上が負債となっており、返すのもかなり厳しい状況になっています。
年収400万円でも、半分が負債。年収500万円でも、3分の1はゆうに超えているという状況。
貸金業法により、「総量規制」がなされており、年収の3分の1以上はお金が借りられない仕組みになっています。
ただし、これはあくまでも消費者金融での借入や、クレジットカードのキャッシングのみ。
銀行カードローンやクレジットカードのショッピング利用分(一括・分割・リボ問わず)は対象外となっています。

多重債務者を増やさないための規制だったと思うんだけど、銀行からの借り入れとクレカリボが対象外って、あんまり意味がないような…(この2つの支払いが厳しい人も多いのに)
銀行もリボも、いっちょまえに上限15%くらいの利息はかかっていますし、毎月多めに返済をしていかないと完済までが遠いです…。
借金が300万円、400万円、それ以上もある人からしたら、「なんだ200万円くらい」って感じかもしれませんが、状況によっては十分厳しいです。

事務所で借金200万円の人を見ていても、月収の半分以上が返済に回ってしまう…なんなら給料がほぼほぼ返済で飛ぶ…という人も多いです。
借金200万円の完済戦略としては、どのようにやっていけばよいのでしょうか。
毎月の収支で借金200万円は返済できるか?
借金200万円の完済を目指すためには、まずは毎月の収支状況を整理してみましょう。
例えば、借金200万円の内訳が以下の通りだったとします。
借入先 | 残債 | 毎月の返済額 |
楽天カード | 50万円 | 月10000円(リボ) |
三井住友カード | 20万円 | 月10000円(リボ) |
アコム | 50万円 | 月15000円 |
プロミス | 30万円 | 月5000円 |
アイフル | 10万円 | 月4000円 |
地銀カードローン | 50万円 | 月10000円 |
合計 | 210万円 | 月54000円 |
毎月の支出から54000円を捻出できていればOKです。
ただし、手取り月収と、実家暮らしなのか一人暮らしなのか、にもよります。
例えば手取り18万円で実家暮らしであれば、残りは13万円。
食費(2.5万円)・日用品(5000円)・携帯代(5000円)家に入れるお金(30000円)だとすると、合計で65000円。残りも同じく65000円。
65,000円ー54,000円(借金返済分)=11,000円が余ります。

11,000円余りますが、毎月5,000円くらいの貯金をして、残りの6,000円は趣味娯楽費といったところでしょうか。
できることなら副業で毎月少しでもお金を稼ぎつつ、貯金や借金返済に充てておくと、後々の生活が楽になるかな…というイメージです。
毎月54,000円を返済すると、利息はいくら?何年で返し終わる?
借金200万円を利息年15%で借りていて、毎月54,000円返済した場合のシミュレーションを見てみましょう。
返済シミュレーションは、日本貸金業協会のものを使用しています。

シミュレーションでは千円単位で入力ができなかったので、「60,000円」で設定してみます。
すると、結果はこうなりました。


- トータルの利息額:603,377円
- 総返済回数:44回(3年8ヶ月)
こんな結果になりました。
借金の返済で「定額元利返済」(※毎月一定額を支払い、その中に元金と利息が振り分けられるタイプ。借入残高が減るほど利息の支払いも減っていく。いわゆるリボ払い方式)となっているものは、返済初期は、60,000円のうちの24,000円ほどが利息にとられています。
シミュレーションを見ればわかるように、借金は返せば返すほど、その利息はどんどん減っていきます。
ただし、途中でまた借りてしまった場合。
利息が増えますし、完済時期も遠のいてしまいます。。

借金は、借りて返してを繰り返していると、一向に減りません…。
では、2年で完済を目指す場合は、毎月いくら払えば良いのでしょうか?
借金200万円を2年で完済するなら毎月10万円が必要


毎月10万円を返済原資に充てることができれば、ちょうど2年で返済が完了します。
利息額は315,884円と、月6万円を返済するよりも半分近く抑えられます。

毎月10万円が返済できると強いですね。
では、もし、1年で完済を目指したい場合は…?
借金200万円を1年で完済するなら毎月18万円が必要

※日本貸金業協会のシミュレーションは、毎月返済額10万円までしか設定できなかったので、こちらの返済シミュレーションをお借りしました。
借金200万円を1年で完済する場合は、毎月180,516円を返済する必要があります。
利息額は166,194円。4年での返済と比べて437,183円も低くなりました。

1年間頑張って18万円を返済に当てても、利息は16万円…。改めて利息の破壊力ってすごいです。
おまとめローンを検討してみるのも◎
現在の借入先が15〜18%の利息となっている場合、おまとめローンを検討してみても良いでしょう。
ただし、おまとめローンは、商品ごとに特徴があるので注意が必要です。
「アイフル」「東京スター銀行」「LINEポケットマネー」「オリックス・クレジット」「ダイレクトワン」の5社を比較してみましょう。
アイフル 「かりかえMAX」 | 東京スター銀行 | LINEポケットマネー | オリックス・クレジット 「ORIX MONEYおまとめローン」 | ダイレクトワン | |
利用限度額 | 1万円〜800万円 | 30万円〜1,000万円 | 〜300万円 | 50万円〜800万円 | 1万円〜300万円 |
金利 | 3.0%〜17.5% | 9.8%、12.5% 14.6% | 3.0%〜15.0% | 3.0%〜17.8% | 4.9%〜18.0% |
対象者 | 満20歳以上 | 満20歳以上、65歳未満 給与所得の方 ※自営業、主婦、パート、アルバイトは不可 | ※公式記載なし | 満20歳以上、64歳まで 毎月定期収入がある方 | 25歳以上の安定収入がある方 |
おまとめ対象 | 消費者金融、銀行系、クレカリボ | 消費者金融、銀行系、クレカなど | 消費者金融、クレカキャッシングのみ ※銀行、クレカキャッシングは対象外 | 消費者金融、銀行カードローン、クレカショッピングリボ、キャッシングリボ | 消費者金融、銀行カードローン、クレカショッピングリボ、キャッシングリボ |
返済方式 | 元利定額返済方式 | 元利均等月賦返済 | 元利均等方式 | 元利込み定額返済 | 元利均等返済方式 |
保証会社 | なし | 東京スター・ビジネス・ファイナンス もしくは、アイフル | なし | なし | なし |
おまとめローンとはいえども、各社金利の最大値が14.6〜18.0%となる可能性もあるため、注意が必要です。
また、クレカリボや銀行系が対象外の商品もあるので、こちらも注意しましょう。
毎月の返済額が下げられ、金利も下げられれば、今よりも返済は楽になりますし、完済までのスピードも早くなります。

返済が厳しい場合は、おまとめローンの検討もあり!
ただし、
- 必ずしも残債務の全部をカバーできる限度額が与えられるとは限らない
- 審査に通らない可能性もある(すでに滞納している人は要注意)
- 後々支払いが厳しくなった場合、借りてすぐの任意整理は条件が厳しくなる場合がある
この点には注意が必要です。
ちなみに、事務所ではおまとめローンの任意整理をするケースもまあまああります。

東京スター銀行、アコム、LINEポケットマネーなどなど。結構見かけます…。
では次に、借金200万円を任意整理した場合のケースを見ていきましょう。
借金200万円を任意整理するとどうなる?
任意整理をすると基本的には将来利息がカットとなるため、現状よりも返済額が減るケースが多くなります。
その他、任意整理の特徴としては、以下のようなものがあります。
- 返済が元金のみの3年〜5年返済となる(もっと長い例もあり)
- 手続きをしたカードは使えなくなる
- 信用情報が5年〜10年のブラックになる(一般的には任意整理手続きから10年※5年で完済した場合がブラック)
- 住宅ローンや車ローン、奨学金など、手続きをして不利益になるようなものは手続きが除外できる
- 家族や職場など、周りの人にもっともバレにくい手続きである
任意整理は「債務整理」という、借金の支払いを整理する手続きの1つです。債務整理には他に「自己破産」や「個人再生」といったものがあります。

自己破産や個人再生については、このあと解説します。
任意整理は一般的に、認定司法書士や弁護士に依頼をして手続きをしていきます。
借金200万円を任意整理した事例をいくつか確認してみましょう。
①借入先6社で200万円の場合
借入先 | 残高 | 任意整理後の返済額 | 分割回数 |
イオンカード | 50万円 | 8,000円 | 63回 |
楽天カード | 50万円 | 9,000円 | 56回 |
プロミス | 30万円 | 8,000円 | 38回 |
セブンCSカード | 30万円 | 5,000円 | 60回 |
auペイカード | 30万円 | 5,000円 | 60回 |
PayPayカード | 10万円 | 5,000円 | 20回 |
合計200万円 | 40,000円/月 |
もともと90,000円/月を返済していたケースですが、任意整理をすることで毎月の返済額を半分以下に抑えることができました。
利息がかかっていないので、単純に毎月4万円を5年近く返済すれば借金がゼロになります。
②借入先7社で250万円の場合
借入先 | 残高 | 任意整理後の返済額 | 分割回数 |
イオンカード | 50万円 | 8,000円 | 63回 |
セブンカードプラス | 50万円 | 8,000円 | 63回 |
ポケットカード | 30万円 | 5,000円 | 60回 |
JCBカード | 20万円 | 5,000円 | 40回 |
日専連カード | 15万円 | 5,000円 | 30回 |
アイフル | 75万円 | 13,000円 | 57回 |
スルガ銀行 | 10万円 | 4,000円 | 25回 |
合計250万円 | 43,000円/月 |
こちらも利息カットで、毎月4.3万円を払えばおよそ5年で完済です。
任意整理は途中で多めに返済することもできるため、多く返せば返すほど、その分完済は早くなります。

まとまった入金があったタイミングで繰上げ完済をすることも、もちろんOK!
③借入先6社で260万円の場合
借入先 | 残高 | 任意整理後の返済額 | 分割回数 |
ペイディ | 45万円※うちApple25万円 | 13,000円※別途25万円一括 | 12回 |
アコム | 35万円 | 12,000円 | 30回 |
プロミス | 25万円 | 5,000円 | 50回 |
dスマホローン | 35万円 | 8,000円 | 44回 |
JCBカード | 90万円 | 13,000円 | 70回 |
楽天カード | 30万円 | 5,000円 | 60回 |
合計260万円 | 56,000円/月 |
今回ペイディが出てきたので、軽く解説します。
ペイディの任意整理では、Apple利用分がある場合は商品返還が必要です。手元に商品がない場合は、利用分一括が基本。
ペイディに関して言ってしまえば、事務所の傾向を見ていると、「一括払いで請求が来てしまって、払えない…」というのが理由で任意整理をする方が多いです。

あとは、「すでに別事務所で任意整理をしているが、ペイディだけ任意整理をしてくれなかった」といった声もよくあります。
滞納している場合は信用情報がすでに傷ついている可能性も高いため、おまとめローンの利用も厳しくなります。
滞納が続いてしまっていたら、早めに任意整理を検討すると良いかもしれません。
その他の債務整理(自己破産・個人再生)はどうなの?
借金200万円を、自己破産や個人再生をする場合はどうなるのでしょうか。
借金200万円を個人再生する場合
個人再生は、元金を80〜90%まで減額して、減額した残りの元金を3年の分割払いにする手続きです。お住まいの裁判所に申し立て手続きを行います。
ただし、個人再生では最低でも元金は100万円残るため、借金200万円を個人再生すると、およそ100万円が残るイメージです。

つまり、減額率は50%ということになります。
残金100万円を3年返済にすると、毎月の支払額は27,000円〜28,000円となります。
個人再生は費用も高く、また、裁判所の手続きのため「官報」に住所や氏名が載るといったデメリットもあります。
正直なところ、借金200万円だと100万円しか削れないため、高い費用を払って個人再生をするかどうかは、ちょっと疑問はあります…。
借金200万円を自己破産する場合
自己破産は、借金の支払い義務をなくす裁判所での手続きです。
裁判所から許可が得られれば、借金200万円はゼロになります。
「支払不能」が条件となるので、返済がどうしてもできないという場合は自己破産を検討するのも一つの手です。

私も最初は自己破産を考えていました。
まとめ
では、最後に。借金200万円の完済戦略をかんたんにまとめます。
- 毎月の収支から、余った金額で返済減資をカバーできるか計算する
- 家計が黒字であればなるべく多めに返済をする(もちろん今後のカード利用は厳禁⚠️)
- おまとめローンで金利&毎月の返済額を下げることも考える(要審査)
- 家計が赤字である、おまとめローンの審査にも通らない人は債務整理を検討する
- 任意整理は元金のみで3〜5年分割(借金200万円なら3.5〜5.5万円が目安)
- 個人再生はあまり費用対効果がない
- 収入がなく返済がどうしても厳しい場合は自己破産を検討
こんな感じです。
すでに借金200万円に到達してしまっている場合、早めに状況を改善していかないと、借金に頼らざるを得ない状況になってしまって、より状況は悪化してしまいます…
おまとめローンでなんとか改善できるケースだったのに、債務整理でブラックに…
任意整理で車ローンや奨学金に影響出さずにできたのに、自己破産へ…
まぁ、個人的にはブラックになるのは悪いことではないと思います。

カードが使えないだけですし、それはすなわち、借金が増えないということなので。。
まずは現状を打破するために、上記を参考にして、借金のない生活を一緒にめざしていきましょう!
以上です。
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