なつこです!
信用情報機関の一つである「全国銀行協会(全銀協)」が令和4年11月4日にこんなお知らせを出していました。
当センターに登録されている個人信用情報のうち、不渡情報について、令和4年11月4日をもってセンターへの登録および会員への提供を取りやめることといたしました。本日以降、本人開示をお申込みいただいた際に発行する登録情報開示報告書における不渡情報の記載について「0/0」(登録情報なしの意味です)との表示となりますので、ご承知おきください。また、官報情報については、登録期間を10年間から7年間に短縮しておりますので併せてご報告いたします。
一部情報の登録終了および登録期間の短縮について|全国銀行協会ホームページより
簡単に言うと「自己破産のブラック情報が10年から7年に短縮されますよ」という話です。
これについて解説します。
自己破産の官報情報は7年に短縮
自己破産や個人再生をしても、今まではブラック期間が10年だったところを7年に短縮するという意味です。
債務整理の一つである「自己破産」や「個人再生」は手続きに裁判所が絡みます。
裁判所での手続きを経て借金がゼロになったり、大幅減額に。
その手続きが行われたことは「官報」に掲載されます。
官報は一般の人の目に晒されることはほとんどありません。
あったとしても官報に掲載される情報ってかなり多いので、ピンポイントで自分の情報がバレるってことは少ないです。
官報は個人の破産情報だけではなく、会社の決算報告や、政府が発表する文書なども掲載されています。
自己破産や個人再生を行なって、信用情報がブラックになるのは、以下のタイミングです。
- 自己破産…破産手続き開始
- 個人再生…民事再生手続き開始
今までなら、上記のタイミングから10年は全銀協にブラック情報が掲載されていたわけですが、それが3年短縮されるわけですね。
ブラック期間は任意整理が一番キツイ?
「自己破産や個人再生が7年までとなると、もはや任意整理が一番ブラック期間が長いのでは?」
こんな疑問が出てきます。
実際に任意整理完済済みの私ですが、1社のみブラック情報の保有期間は完済から5年後の日付で記録されています。
信用情報機関には全銀協のほかにも「CIC」「JICC」がありますが、それぞれ破産の保有は以下の通りになっています。
当社では、官報情報(官報に公告された内容を表す情報)は平成21年4月1日より収集・保有を中止しており、現在保有いたしておりません。
また、当社で保有するクレジット情報の保有期間は、契約中および契約終了から5年間です。したがいまして、破産の場合は免責許可決定が確認できた会員会社によるコメントが登録された報告日が起算点ということになります。
自己破産の登録は何年間ですか?|CIC
CICは、自己破産をしても官報に掲載した事実は載せないが、免責許可が出たタイミングで5年は掲載するということですね。
続いてJICC。
取引事実に関する情報
債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等
契約継続中及び契約終了後5年以内
信用情報の内容と登録期間|JICC
(ただし、債権譲渡の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年以内)
自己破産、個人再生、任意整理、どれを行なっても5年は情報を保有しているそう。
まとめると、CICもJICCも、ざっくりと5年ブラックが掲載されて、全銀協は7年掲載されているということになり、任意整理が完済後5年ブラックであれば、自己破産や個人再生の方がブラック期間は短いということになりますね…。
とはいえ、私の例にもあるように、任意整理が必ずしも完済後5年(=手続き開始後10年)ブラックなのではなく、人によって期間が違います。
任意整理のブラック期間は完済してみないとわからないのです。
不渡情報とは?
いちおう一緒に述べられている「不渡情報」についても触れておきます。
「不渡」は普通の人はあまり聞きなれない言葉だと思いますが、「不渡」とは小切手、手形の取引で使われる言葉です。
取引先から仕事を受けて仕事をして、その報酬を小切手や手形という紙切れでひとまず渡されます。小切手や手形を渡したけど、それが期日になっても決済できなかったものを「不渡」と呼びます。
この不渡情報が、令和4年11月4日以降は官報に掲載されなくなったそうです。
思うに、そもそも手形取引って今あんまり使われないからというのが理由にあるような気がします。
現在は手形取引に変わって「ファクタリング」がありますね。
ファクタリングは売掛債権を売買するもので、いくらか手数料を払えば、振込日前に現金化してくれるというものです。
クラウドソーシングにそんな仕組みがあります。
ランサーズのお仕事で即日払いは利用できますか?|フリーナンス
ちなみに「ファクタリング」という言葉が出てきましたが、ちょっと前に給料債権を現金化する「給料ファクタリング」なるものがありました。
これは闇金みたいなもので、ちょっと前に全国的に摘発されて現在はほとんど消え失せています。給料ファクタリングは違法なので、給料の現金化はしないようにしましょうね。
要するに、「不渡」は債務整理をした個人には、ほとんど関係のない話になります。
改めて、任意整理よりも自己破産や個人再生のほうが良いのでは?
ブラックのことだけで言えば自己破産や個人再生の方が良いのかもしれませんね。
けどそこに関して言えば、実際にまだ「異動」がついている状況でも私はクレジットカードが作れていますし、、
あとは「破産者マップ」とかよからぬものを作り出す人もいるから、そういうのに名前・住所が掲載されることを回避することはできる。
それに、弁護士・司法書士に依頼する債務整理費用は、任意整理の方が安いよね。
(とはいえ任意整理費用に関しては多くの事務所が1社あたりの金額を提示しているので、整理するカードが多ければ高くつきますが…)
将来的には個人の行動がなんでもスコアリングされるようになり、各サービスに紐づけられるようになると……もしかしたら破産という事実がネックになることも出てくるかもしれませんね。
思えば、私が過去に債務整理した時は、自己破産によって官報に名前・住所が掲載され、それがひょんなところから情報が漏れるのがすごい気になっていたな…。
「任意整理」と「自己破産」のどちらがいいかは、その人の状況や価値観でも違います。
どっちがいいとは一概に言えませんが、これから債務整理をする人は、よく考えて決断していくようにしましょうね。
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