なつこです。
「破産者マップ」なるものが数日前からTwitter上でにぎわっています。
アクセスがパンクしているんだかなんだかで全然見ることができなかったのですが、昨日ようやく中を見れたのですが・・・
破産者マップ、ひどすぎる(怒)
ちょっと破産者マップについてまとめてみました。
破産者マップとは、グーグルマップで破産者を可視化したもの
過去に「自己破産」や「個人再生」した人の氏名、住所、官報公示日、取扱裁判所、事件番号が住んでいる場所にピンどめされているものです。
なつこで言えば、グーグルマップのなつこの家になつこの名前と住所がピンで止めてあるということです。
つまり、
住んでいる場所がわかれば、破産したことが周囲にバレてしまう
えげつないサービス(?)なのです。
破産者マップは「官報」の情報をもとに7万件以上が掲載されている
「自己破産」や「個人再生」に共通するものといえば「官報」に掲載されるということ。
破産者マップというのは作成者いわく「官報」に掲載された情報をグーグルマップ上にアップしているそうなのです。
官報というのは情報がかなり膨大で、自己破産した人や個人再生した人を記して毎日発行されています。
そしてこの官報というのは直近30日分はすべて無料で見ることができます。
それ以前の官報に関してはは有料となってしまうのですが、ざっと見ると2016年に破産した人なども掲載されていることから、かなり遡って情報を抜いて掲載していると思われます・・・
破産者マップがアウトな理由。
なにがダメなのかピックアップしてみました。
個人情報保護法に違反、名誉毀損になる
真っ先に思いつくのはこれですよね!個人情報が晒されているので、個人情報保護法に違反する可能性があります。
Twitter上でも多くの弁護士の先生方が破産者マップに個人情報の取り扱いについて反応されており、憤りのツイートをしていらっしゃいました。
自己破産や個人再生をするということは、大げさな表現ではありますが、過去の失敗を精算して新たな人生を歩み出す一つの道しるべな訳です。
それを破産者マップのようなわけのわからないものに個人情報の晒しあげになっているなんで酷い話なわけです。
氏名、住所をピックアップされて自宅にピン留めさるのは完全にアウトですね。
著作権に違反
官報には「配布版」と「インターネット版」の2種類があり、仮にインターネット版を見た場合によって書き写したら著作権侵害となるそうです。
配布版の「官報」には一般的に著作権の余地はない、と官報のサイトでも記されています。
ですがこれだけの情報量を見るとおそらくインターネット版官報の情報を持ってきていると思われます。
著作権違反になるハズ。
支援を募ってしまっている
とんでもないことに、破産者マップのサイト上では支援を募っています。
破産者マップのTwitterがあるので見てみたら、どうやら文字起こしをしてくれる人を募集しているそうなのです。。
これはもはや犯罪に加担するような行為だと思うので、絶対に支援してはなりません。
金銭の支援も募っているそうで、支援した人はサイト内に支援者の名前が掲載されるそうです。
あまり嬉しくないと思いますが。。
これに関しても金銭を渡すと違反になるとかあるのでしょうか・・・?
サーバーの規約に違反
破産者マップは「さくらサーバー」というレンタルサーバーを利用しているのですが、個人情報の取り扱いなどがさくらサーバー側で規約違反になるっぽいです。
ドメインの規約に違反
さらにドメインは格安ドメインの「お名前,com」を利用しているのですが、こちらも規約違反になるかもとのことです。
ちなみに破産者マップのドメインは「.tokyo」を利用しているのですが、2019年3月18日現在のドメインの値段は149円でした。安いです。
破産者マップの削除要請が酷い
個人情報の取り扱いだけでも酷いですが、もっと酷いのが「削除要請フォーム」。
破産者マップには「削除要請フォーム」というのがGoogleフォームにて設置されていて、中を覗いて見たのですが・・これが本当に酷すぎた。
削除申請をするのにいろんな質問をされます。しかも文字数が200字以上と縛られている。
これは軽いwebライター案件ですよ。ランサーズなどでこういうのよく見ますもん。
それに、削除要請するのに破産手続きの際の弁護士の説明だとか、破産後の生活について話す必要はないハズ。
破産者マップの管理人いわく「本当に個人かどうか審査するために必要」とかなんとかってTwitterで言っているのですが、生活状況や破産の事情なんかは絶対に不必要です。
もっと酷いのがこれ。
削除要請には本人確認書類の写しが必要。
・・・ありえませんね。
上の画像の中ほどに「いかなる金銭を請求、要求することはありません」と書いてありますが、なつこ的にはお金よりももっと怖い目に合いそうな気がします。
それこそ情報をごっそり持っていかれるワケですから、
- 闇金に情報を売り飛ばされる
- 銀行口座を作成され詐偽に利用される
- 携帯電話を契約され詐欺に利用される
など。
(なつこ弟が財布盗まれた時も、勝手に口座作られたり携帯電話契約させられたので、詐偽目的などにありえそうなことです。)
つまり、大金になりうる価値のある情報なんですよね。
なので仮に破産者マップで自分の名前を見つけてしまっても、まずは冷静に。勢いで削除申請フォームに書き込むことのないようにしましょう。
余談:自己破産や個人再生は自業自得ではない
破産者マップに掲載されている方達に対して一部「自業自得」だの「踏み倒し」だの言っている意見があります。
自己破産の背景は本当にさまざまです。
なつこは借金している人なので「自己破産」と聞くと「多重債務で手に負えなくなって自己破産をしてしまったのかな」と真っ先に思い浮かべます。
がしかし自己破産する人の中には
- 借金の連帯保証人になってしまった
- 名前を勝手に使われて知らないうちに借金を作られてしまった
- 震災の被害にあって仕事をなくしてしまい各種支払いができなくなってしまった
- 会社の経営が悪化してやむなく倒産をする運びとなった
などなど、一口に「自己責任の借金をチャラにした」とはいえないような事情の案件もあるわけです。
「数百万、数千万とあった債務をゼロにする」=「踏み倒し」ではないのです。
そもそも踏み倒しって、完全に支払いをバックれて逃げることです。
自己破産をする場合は弁護士の先生にお金払って依頼して、たくさんの書類を集めることから始めます。
そのあと裁判所に出向いて裁判官から「免責許可」を受けなければなりません。
免責許可が下りなければ自己破産はできません。免責不許可事由される借金というのは競馬やFXなどのギャンブル行為が当てはまります。
娯楽などで作ってしまった借金を自己破産できるほど、甘くはないワケです。
「自業自得」とか「踏み倒し」とか簡単にいい放てるモラルの低い人がいるから、破産者マップが怖いんです。
こういう人たちが破産者マップを見て近所の破産者を言いふらす恐れがありますからね。
あとやっぱり子どもを持つ親としてきになるツイートも見つけたよ。
「破産者マップ」運営者、破産者から削除手数料として amazonギフト券3万円要求していた疑い
真偽不明ですがYahoo!知恵袋にそのような投稿があったので共有しますhttps://t.co/SYIpdNCWWK
削除依頼をして実際に金銭要求された方などいればDMご相談ください #破産者マップ #拡散希望 pic.twitter.com/4EnpswWbpB
— nuco.jp (Normal Cat) (@nuco_jp) March 17, 2019
まだモラルが育ってない子どもが破産者マップを見て、同級生の家にピンが留めてあったりしたら、いじめにつながりかねないんだよね。
今のところ破産者マップもあんまり大々的にニュースになっていないようなので、さっさと損害賠償請求されて消えて欲しいところではありますねー!
破産者マップが消えた!
今日(3/18)12時頃に再度「破産者マップ」を確認したら、削除されていました。
ただ、削除しただけでは済まされないような気もするけど・・・
掲載されてしまった多くの方々の怒りはこれで収まらないかと思います。
弁護士の先生方も何十人も動き出しているみたいですし。
もうこんなくだらないまとめはしないでもらいたいですね。
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