6月24日付で、東京ミネルヴァ法律事務所が破産手続き開始決定となりました。
東京ミネルヴァ法律事務所は、ご存知のかたも多いと思いますが、過払い金請求のTVCMで有名な弁護士事務所です。
過払い金請求だけではなく、自己破産・個人再生・任意整理といった債務整理案件や、その他多数の案件を取り扱っていた東京ミネルヴァ法律事務所ですが…
まさかの弁護士事務所側が破産をしてしまうという結末に。
なぜこうなったのか?そもそも東京ミネルヴァ法律事務所の口コミ評判はどうだったのか?私の考察や改めて考える弁護士事務所の選び方をまとめました。
【概要】東京ミネルヴァ法律事務所が破産手続き開始となるまで
これ予兆ってあったのでしょうか?
当ブログではいくつか債務整理の広告を貼っているのですが、昨年~今年初めにかけて数件、東京ミネルヴァ法律事務所の広告掲載依頼を受けています。
広告数が多くなるのも微妙なので、結果依頼は受けなかったのですが。。
そこから半年も満たないうちに、破産…。
負債額は51億円。(※しかも弁護士法人で過去最大の負債額)
半年で一気に負債を51億円も抱えることってあるのでしょうか?
コロナの影響もあったかと思いますが、それにしても額がすごいです。
TVCMでもガンガン流しているので、広告費が積み重なったのか?
メイン業務だった過払い金請求が不振だったのか?
2009年に貸金業法によりグレーゾーン金利が撤廃したことによって、直近10年以内に借り入れをした人は、過払い金がほとんど発生しません。
つまり、最近では依頼数が少なかったのではないでしょうか??
グレーゾーン金利については下記の記事に書いているので、興味がある人は読んでみてください。
…とはいえ、債務整理や借金関連のサイトを見ても、東京ミネルヴァ法律事務所の広告はかなり多く見かけますし。。
広告の費用対効果が悪かったのでしょうかね。
負債51億円の謎は深まるばかりです。。
東京ミネルヴァ法律事務所の口コミに倒産の予兆があった?
東京ミネルヴァ法律事務所って依頼者目線ではどうだったのでしょうか。
今回はGoogleの口コミと、Twitterの口コミを抜粋してみました。
Googleの口コミ
先週からどの電話番号にかけても電源が入ってないアナウンス
2回お問い合わせをしても何も返事が来ない
これは1週間前(6月18日頃)の口コミです。
破産手続き開始が6月24日。このときまで依頼者はなにも知らされていなかったのでしょうか…。こんな状況じゃ不安になってしまいますよね。
電話がつながらない 留守電にもなっていない ので困っています 弁護士会にも問い合わせしてみましたが繋がらないのでわからないとの事でした 弁護士事務所で繋がらないなんてありえるのでしょうか
こちらも1週間前の口コミです。
東京ミネルヴァ法律事務所に電話しても繋がらない、その理由は弁護士会にもわからない…
なんというかすごく不誠実だと思います。せめてまずは依頼者には一報入れるべきだと思うのですが…
この2つの口コミから、なんとなく破産の予兆があったことがわかりますね。
本当に対応が遅い。
挙句、急に担当者が勝手に代わり元担当者からの連絡や挨拶もなし。
相談から半年以上経って(催促しまくった)漸く報告書と費用の詳細が届いた。
費用支払いを分割にしてくれたのは良いものの、分割した費用を全て払い終わるにも関わらず未だに相手側からの承諾書が届かない。
ちなみに相談から1年が経過している。
“全部片付いた”という証明がされてないまま費用を払う事になる…
問い合わせても「登録した番号からしかお答えできません」とメールでの対応もしてもらえないので証拠も残せない。
数回電話しても担当者から折り返しが来るのは1ヶ月後とかざら。
「取り敢えず弁護士に相談した!」という一時的な安心感が欲しいだけの人以外にはおすすめしない。
こちらは2ヶ月前の口コミなので、2020年4月頃の書き込みですね。
急に担当が変わるって、嫌ですよね。
しかもそこできちんとあちら側で状況を伝達できていればいいのですが、担当が急に変わるところって、こうした伝達ができていないところが意外と多いんですよね。
それに、こうした依頼はスピード感がかなり重要視されるはず。
催促してやっと動くようだと、そもそもの運営体制も弱かったのではないかと思います。
一年十ヶ月で、過払い金が送金がありましたが、、催促3回しました。送金したくなかったのではと思いました。明細書を送付しますから3週間まだ着いていません。最低な弁護士事務所だと思います。入金があったから良かったけど、出来ればここは使わない方が良いかもと思った。
こちらは4か月前口コミです。2020年2月頃の書き込みですね。
入金遅れは信用をなくすやつですよね。
自分も過去に滞納しまくっておいてアレなのですが。。。
しかもビジネスとしてやっている以上、依頼者に催促させてしまうのは本当いかがなものかと思います。
その他にも22件のレビュー中、電話対応のヒドさについての口コミが3件、過払い金未入金の口コミが2件、連絡が取れない口コミが5件ありました。
Twitterでの口コミ
なつこがいつもお世話になっているフォロワーさんのツイートです。
先月、代表弁護士が体調不良とかで降りた。僕の依頼先ですw
— 雀(ミネルヴァ破産)@あと55ヶ月 (@UuA5heMsEjZn8hC) June 24, 2020
債務整理依頼してた事務所が解散😨
相談窓口が繋がらない😭
— ヒコ🌟無敵に向かってメンタル🍀スキル改革中 (@tomokyun_change) June 25, 2020
さすが債務整理界隈(勝手に界隈化しております)、東京ミネルヴァ法律事務所に依頼している方が数名いらっしゃいました。
そして、Googleの口コミと同じく電話も繋がらない状態だそう。
借金抱えているときって、イレギュラーが起きると冷静に対応できなくなってしまいますよね…。
ちなみに代表弁護士は体調不良と言っていたそう。これもGoogleの口コミにもありましたが、体調不良でやりとりが止まってしまうのは残念です。
体調不良、連絡がつながらない、、、いずれも東京ミネルヴァ法律事務所の直近の状況です。
電話の対応や担当の変更など、少々依頼者のことをナメているよな…としか思えないような内情です。
思うんですが、「先生」と呼ばれる職業も、これからはフラットな関係性になっていく必要がありますよね。
こうした客をナメた企業はゆくゆくはこうした結末になってしまうのは当然の結果のような……って感じがします。
今回の負債51億円はこうした対応の部分で直接関係はないですが、過払い金請求の入金が遅れていた口コミを見る限りだと、資金繰りが厳しかったのではないか?と想像できますね。
※Googleの口コミはネット上のものですし、参考程度にお願いします。
東京ミネルヴァ法律事務所に債務整理を依頼していた人はどうなるの?
今回の東京ミネルヴァ法律事務所では、弁護士法人が「破産」という形となっており、管財人がついていました。
今後の債務整理の対応はおそらくこの管財人が対応するか、もしくは、事務所入り口に貼ってある紙、「依頼者のお問い合わせは第一東京弁護士会へ」という紙が貼られているので、そちらで臨時の対応は行ってもらえるでしょう。
ちなみに管財人は岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所)です。
東京ミネルヴァ法律事務所で依頼した人の問い合わせ先などはこちらのリンクをどうぞ↓
弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所(東京)|Net IB News
【結論】債務整理する人は事務所の破産に気を付けよう
今回の記事で私が伝えたいことは2つ。
- 弁護士も破産することがあるので、債務整理をするときには気を付けよう
- 広告を多く打ち出している弁護士事務所は警戒した方がいい
債務整理をすると弁護士と長い付き合いになる
とくに個人再生や任意整理ですが、事務所によっては完済まで弁護士とつながっているパターンと、和解したら弁護士とのつながりが終了するパターンと2通りあるのです。
和解したら弁護士とつながりが終わるのは、私と旦那がこのパターンで、和解後は自分たちで各債権者にそれぞれ振り込みをしていました。
しかし、債務整理をしている事務所の中には、完済まで弁護士宛てに一括で振り込んでもらう方法をとっているところもあります。
私はこれを弁護士側の「手数料ビジネス」と勝手に呼んでいます。
たいてい振込手数料って100円~300円程度(※金額が大きければ大きいほど手数料が高くなる)ですが、これを1件に対して1,000円程度取っているところから手数料で儲ける手数料ビジネスということですね。
このように、弁護士が完済まで代わって返済をしてくれる場合、弁護士との付き合いが長期化します。
その間に、今回の東京ミネルヴァ法律事務所のように途中で破産となってしまった、ということのないような弁護士を選ぶ必要があります。
改めて、債務整理をするときの弁護士選びはどうしたらいいの?
最後に、債務整理をするときの弁護士の選び方をまとめておきます。
まず、こんな弁護士は選ぶのをやめておきましょう。
- 事務所が派手(成金のようなところ)
- 広告をガンガン打ち出している(TVCM、電車中吊り、新聞折り込み、ネットなどなど)
- 弁護士本位で物事を考えている(親身になってくれない)
東京ミネルヴァ法律事務所がTVCMで流していたのは、過払い金請求のCM。他にもB型肝炎などの依頼も積極的に受け付けていたようです。
しかし、私も以前ブログ記事にまとめていたのですが、ここ最近では過払い金請求がとれなくなっています。
過払い金請求の費用は請求額の10%~20%くらいとなっているので、請求できる金額が大きければ大きいほど儲かるシステムとなっています。
そのため、過払い金が発生しにくい昨今ではなかなか儲からない商売なのではないかなと思っています。
こうした時代の変化に対応できず、気づいたらかなりデカい負債額が残ってしまった…ということなのでしょうね。
そんな感じで、私なつこがおすすめする弁護士の選び方がこれです↓
- 広告など派手に打ち出していない弁護士事務所を選ぶ
- なるべくなら経験のある人に事務所を紹介してもらう
広告費用って本当にバカにならないので、今回みたいなことにならないように、マイナーな弁護士事務所を選ぶのも一つの手です。
参考までに、広告費用ってどれくらいかかるのか調べたのでまとめておきます。
[st-midasibox title=”広告にかかる費用(目安)” fontawesome=”” bordercolor=”” color=”” bgcolor=”” borderwidth=”” borderradius=”” titleweight=”bold”]
- TVCM…15秒のCM一回につき40~80万円
- 電車の中吊り広告…JR中央線快速は2日間で120万円(2400枚)参考:列車の中吊り広告、いったいいくら? その「ルール」とは|乗りものニュース
- 新聞折り込みチラシ…東京23区内B4サイズ1枚3.4円 参考:全国折込料金表|折込チラシ屋さん
- ネット広告(リスティング※検索結果に出てくる[広告]表記のもの)…1クリックあたり10円~※金融系は相場が高い傾向にある 参考:【入門】Web・ネット広告の種類一覧&効果・費用感をわかりやすく解説|インテージギャラリー
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ハイペースで広告を出せばあっという間に何千万、何億万はいってしまうと思います。
今回の東京ミネルヴァ法律事務所も相当な広告費用をかけていたでしょう。
広告って先行投資となるので、広告をかけた以上に儲からないと、あっという間につぶれてしまいます。
ただし、マニアックすぎても、債務整理に強くなかったり、デメリットはあると思います…
そういった意味では、一番は債務整理経験者に弁護士事務所を紹介してもらうのが一番かと思います。
ちなみに私は地元横浜の司法書士事務所で任意整理しました。対応がよかったので、気になる方はブログの問い合わせページやTwitterのDMからどうぞ。
Twitterには債務整理した人もたくさんいて、どこの弁護士事務所で債務整理をしたか聞いてみてもいいかもしれませんね。
また、広告で「全国対応」と謳っていても、なんだかんだ言って自宅近くの事務所が安心だったりします。
着手金を払ってなかなか動いてくれない弁護士もいたいするので、あとは無料相談の対応などでしっかり弁護士を見極めてください…!
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